阿呼(あこ)
菅原道真幼少時代。
妖女と父・菅原是善との子で、五歳の時菅原邸の梅の木の下に現れ、以後菅原家嫡男として育てられる。幼少期より並外れた学問の才能ゆえ神童と噂される。子供ながらどこか大人びている。
島田忠臣(しまだただおみ)
菅家廊下の住み込み塾生の青年。
菅原是善とは旧知の間柄であり、阿呼の教育係を頼まれる。誠実で温厚だが天然で、よく阿呼や是善を翻弄させる。正室との間に娘・宣来子(のぶきこ)と息子・和(なぎ)を一人ずつ持つ。
菅原是善(すがわらのこれよし)
阿呼の実父。
正室との間に二人の子が生まれたが、どちらも夭折しており、国司として地方に赴任した折に妖女と誓約を結び、後に現れた阿呼を引き取る。父の代から続く学問の名門、菅原家当主であり私塾である菅家廊下を開いている。
堅物で真面目な性格。
橘広相(たちばなのひろみ)
由緒正しい貴族である橘家の当主をわずか十五歳で継ぐ少年。橘家はかつて朝廷内において大きな力を持つ存在であったが、藤原家の台頭により没落しつつある。橘家を再興するべく、菅家廊下の塾生となり、積極的に学問を学ぶ。
阿呼とは年齢が近いためか仲が良い。
爽やかな笑顔の裏に腹黒い一面を隠し持つ。
在原業平(ありわらのなりひら)
通称・在五の君。皇族出身であり、道真の父・是善とは親しく、菅家の塾生ではないが、菅家の書庫をよく訪れる。その折、阿呼と出会い、その有能さに興味を持ち、親しい間柄となる。
明快で頭脳明晰で、特に和歌の才に優れる。
その他登場人物。
・タケミカヅチ…藤原家の氏神の一で、雷と武術を司る。古くから藤原家を守護してきたが、飯綱女の台頭により力が衰え、同時に妖孤にたよる国の行く末に不安を抱き、女の姿となり是善と誓約を結ぶ。
・飯綱女…藤原不比等の世から代々藤原家に仕える妖孤の長。この妖孤の力もあり、藤原家は勢力を伸ばしてきた。
・藤原基経…藤原家の若き当主。叔父の先代の当主・良房の養子となり藤原家当主を相続する。
序の舞・登場人物